『ルートレター』《PS4/PS Vita》謎のペンフレンド“文野亜弥”にまつわる噂と15年前の出来事・過去に囚われた7人のクラスメイトたち

青春時代の想い出として、淡い恋心を抱いていた文通相手の少女の過去。
 
高校生の頃、ペンフレンドの島根原の少女と交わしていた手紙が懐かしい想い出として甘酸っぱく広がる…という物語ではないのが『ルートレター』。
 
そもそも当時返事が来なくなって、自然消滅的な終わりを迎えたはずの文通が、15年も経って「ラストレター（←しかも不穏な文面）」が見つかるあたりがもはやミステリー。
 
「やぁ、懐かしいなぁ。手紙届いていたんだ。」といった軽い気持ちで開封したら、「私は人を殺してしまいました―。」って、一瞬息が止まるくらいに誰でも驚く重い内容です。
 
いや、これ読んで良かったの？というか、何があったの？
 
ということで、おっさ…大人になった主人公は、島根県へ真相を確かめに行くわけです。
 
そこでより一層混乱する事態が待ち受けているとも知らずに。

 
島根に到着した『ルートレター』の主人公は、まず手紙の住所を訪れると、そこは空き地に。
何でも15年前のクリスマスに起きた火災で空き地になったとか、
さらに、焼け跡では幽霊の目撃情報も。オカルトチックな要素がチラリ。
 
そして彼女が当時通っていた高校には、文通していた頃からさらに10年前に亡くなった伝説の女子高生「文野亜弥」という同名の生徒がいたらしいという奇妙な符号。
 
しかも、級友の一人の証言では、文野亜弥は島根県石見地方に伝わる伝承「姫が森の姫」であると。
 
さぁ、ますます謎が深まってまいりました。
 
とっとと彼女を探し、真相を明らかにして安心したい。
その為には、元クラスメイトから話を訊こう。
 
というごく当たり前の流れによりスムーズに彼女の所在を確認できると思ったら、そうは問屋が卸しません。
 
高校当時の手紙に綴られていた彼女とクラスメイト達との関係は、楽しいエピソードや優しい想いに満ちていたのに、現実はどうもその様な穏やかなものではなかったらしく、級友にとっては忘れようとしていた苦い“過ちの記憶”らしいことが、さらに物語を混乱へと導きます。
 
15年前、美しき少女とクラスメイトの間に何が起こったのでしょうか。

 
現代の島根で主人公が見つけ出した元・級友達は、其々が文野亜弥との“過去”に囚われていて、彼女の存在を否定する状況。
 
確執や自信喪失、反感や劣等感、恐怖、嫉妬、臆病と個々に抱える過去は重い。
 
彼らの心を縛る“過去”から解放するために、その鍵となるのが、彼女の温かな想いが綴られた10通の手紙。
 
想いを伝える事で、彼らは再び希望に向かい歩き始めることが出来るかもしれない。

 
青春時代の心の光と闇。
鮮やかに描き出され紡がれる物語の先には何が待っているのでしょうか。